初めてこの立地を見に行ったときから、この松が気になっていました。でもそれは嫌な意味ではなく、この松の枝ぶりが大小とも2寸勾配くらいかなーと。後ろに見える山の稜線とこの松を借景にする事で、この建物は周囲にとけ込みます。
私はいつも、この建築という仕事に携わりながら気を付けている事があります。人間の造り出す建築は、時に罪なモノを生み出します。それはエゴと無知から来る物だと思います。しかしその周辺環境に合わせ、英知を持ったデザインという配慮をする事で共存できると考えます。古い記憶を消して新しくするのも良いですが、良い事も悪い事も年月を重ね上書きしていくのが、私は好きです。